お客様のスマイルのために

ピープルビジネスと言われるマクドナルド
「ハンバーガー大学」で学べることとは?

従業員の働きやすさに大きく影響するのが、現場を仕切るリーダーやマネージャーの存在。高い従業員満足度を誇るマクドナルドでは、どのようにリーダーを育てているのでしょうか? その独自のメソッドから、今の時代に求められるリーダーシップのあり方について考えてみましょう。

All About 専門ガイド

藤田聰さん

藤田 聰さん

All About「キャリアプラン・リーダーシップ」ガイド。日本IBM、CI戦略コンサルティング会社PAOS、コーポレイトディレクション(CDI)の子会社役員を経て独立。大手ヘッドハンティング会社のコンサルティング事業部長などを歴任後、市場価値測定研究所を設立。現在、株式会社企業変革創造代表取締役社長、国家資格キャリア・コンサルタント、日本生産性本部主任講師、早稲田大学招聘研究員、留学協会理事等を務める。

リーダーとして心得るべきは、「人」を知ること

理想的な上司がいると仕事がはかどる。上司とウマが合わないから働きづらい……。社員やアルバイトに関わらず、仕事や職場環境についてこんなふうに感じたことがある方は、少なくないのではないでしょうか。「リーダーと従業員の関係性は、会社の業績にも大きな影響を与えます」と話すのは、All About「キャリアプラン・リーダーシップ」ガイドの藤田聰さんです。

藤田さん「例えば飲食店なら、店長やマネージャーによって店舗の収益が大きく左右されます。それほどリーダーが会社に与える影響は大きく、そこに深く関わっているのが、従業員との関係性です。従業員のモチベーションを高めるのはリーダーの役目であり、それが顧客満足度、従業員満足度、ひいては店舗の売り上げに直結するからです」

従業員のモチベーションを高めるために、リーダーはどんなことを心得るべきでしょうか?

藤田さん「従業員を公平に評価すること、しっかりとしたフィードバック、叱るだけではなく褒めること……。リーダーに求められることはさまざまですが、その本質は、従業員ひとり一人の『人』を知り、敬意を持って接することに集約されるでしょう。その人のパーソナリティを考慮しながら、次のアクションプランにつながる適切な指導を施すことが、従業員のよいパフォーマンスを生み出し、モチベーション向上にもつながります」

人生でずっと役立つ、「ハンバーガー大学」の教え

働きやすい職場環境や従業員のモチベーションは、現場のリーダーがサポートするもの。それでは、そのリーダーを任される人材は、どのように育てられるのでしょうか。「84%」という高い従業員満足度をキープしているマクドナルドの場合を見てみましょう。

みなさんは、「ハンバーガー大学」をご存じですか? ハンバーガーの作り方を学ぶ場ではなく、マクドナルドの人材教育機関のことです。マネージャーとして活躍する人材は、ハンバーガー大学で行われる研修を受講します。その研修では、「あいさつをする」「〇〇さんと呼ぶ」といった基本的なことから、アクティブリスニング、フィードバックの重要性やその心構えまで、職場環境を良好に保つためのコミュニケーションスキルの重要性を伝えています。
藤田さん「企業の理念や価値観の理解から始まり、ベーシックなコミュニケーションスキル、コーチングにいたるまで、ハンバーガー大学ではリーダー育成に必要なプログラムがバランスよく組まれています。こうしたリーダーシップの考え方は、どんな職種や階層でも通用するものでしょう。『ハンバーガー大学』というユニークな学びの場で、マクドナルドが教えているのは実に普遍的なリーダーシップのあり方であり、『人を育てる』という明確なビジョンと意思が伺えます。更に、就労形態に関係なく、学生や主婦のアルバイトにも門戸を開いている包容力も特筆すべきでしょう」

日本でハンバーガー大学が開校したのは、マクドナルドの国内1号店のオープンよりも1カ月早かったそうです。「企業の成長を支えるのは『人』そのもの」という企業理念は、藤田さんの言う「『人』を知り、敬意を持って接する」というリーダーシップの要にもつながるところがあるのかもしれません。

日本のマクドナルドから、新しいリーダーシップを発信!

「リーダーとしてあるべき本質はいつの時代も変わりませんが、求められるアプローチのしかたは時代と共に変わってきています」

グローバル化やインターネットの台頭などにより、新たなリーダーシップの“時流”が生まれつつあると藤田さんは語ります。

藤田さん「ひと昔前は、一人のリーダーがワンマン的に動くトップダウンアプローチが主流でした。ところが、情報化社会である現代においては、従業員、リーダー、経営者、競合企業、消費者の誰かが突出するのではなく、共存共栄していく社会形態が求められています。また、働き方の多様化やグローバル化にともない、違う文化で育った人たちと同じ職場で働くことも珍しくありません。これらのことから、さまざまな立場の人たちの意見を傾聴し、共感したうえで、多彩な価値観を受け入れる能力がリーダーに必要とされています」

現場の意見をしっかりと聞き、それをふまえた意思決定をリーダーがすることで、従業員がやりがいを持って仕事に取り組める。そうした職場の公平性やリーダーの度量の深さこそ、ハンバーガー大学が教えるコミュニケーションスキルや、マクドナルドが目指す「ピープルビジネス」の考え方そのものといえるでしょう。

藤田さん「日本人は、もともと、傾聴スキルや共感力が高いと言われています。例えば、宇宙飛行士で国際宇宙ステーション(ISS)の船長をつとめた若田光一さんは、その傾聴スキルでリーダーシップを発揮し、世界的に評価されたと言われています。今後は、そうした“日本人らしい”リーダー像が、世界の新しいスタンダードになるかもしれません。ハンバーガー大学の教えやその企業理念を通して、マクドナルドというひとつの企業から、これからのリーダーシップのあり方を世界に発信していける可能性を感じました」

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