もう一度働きたいは2024年の初夏のこと。昔かこれからもずっと「マクドナルドで働いてみませんか?」。そう家族から勧められたのら働くことが大好きで、信用金庫の職員やゴルフのキャディ、企業の事務員、カプセルホテルのオーナーと、さまざまな仕事に挑戦してきた。しかし、コロナ禍にカプセルホテルを手放すことに。「もう働くのは終わりかな」と少しさみしく感じつつも、穏やかな老後を過ごそうと考えていた佐々木さん。思いもよらない誘いに、再び働けるかもしれないと心が躍った。けれど、マクドナルドで自分が本当に働けるのか半信半疑でもあった。しかし、予想に反しすぐに採用が決まった。それどころか美しい姿勢や丁寧なあいさつなど、これまでの経験を生かしたお客様に笑顔を届ける行動が認められ、佐々木さんはクルーとして働き始めて間もなたした。たくさんのお客様が訪れる店内。孫ほどの年齢の仲間たち。これまでのどの職場とも違っていて、最初は圧倒されることも多かった。お客様のために扉を開けた際「私のためにそこまでやってくださるのですね。さすがマクドナルド」とお声がけいただき、あらためて〝マクドナルドの看板を背負う〟という責任の大きさを感じたという。迷惑をかけてしまわないか。働きはじめてからも不安はあった。それでも続けたいと思ったのは、マクドナルドで働くことが楽しかったから。「このお店で働く時間は私の〝元気の源〟です」賑わう客席を見渡しながら、佐々木さんは語る。商品をおくGELへのタイトルアップを果元気の源届けした時の弾けるような子供たちの笑顔や、店舗に届くたくさんのお褒めの言葉。ちょっとしたお声かけでぱっと明るくなるお客様の表情。「来て良かった」そう感じるきっかけに自分がなれることが何よりもうれしい。彼女にとってマクドナルドは、笑顔を届け、自分も笑顔になれる大切な場所なのだ。佐々木さんの仕事を愛する姿勢は、店舗の仲間たちにもポジティブな影響を与えている。例えば「あいさつ」。1人では恥ずかしくて声を出せなかったクルーも、彼女の美しいお辞儀と優しい声色を手本に、一緒にあいさつができるようになった。最近はトレーニングを担う機会も増え、自分の考えやアイデアも後輩たちに伝えている。「いつも通りではなく、お客様に合わせて〝喜んでいただくための工夫〟をする」「お客様が求めていることに気づければ、頼まれる前に必要なお手伝いができる」。一つひとつは小さなことだけれど、その積み重ねが店舗全体におもてなしの輪を広げ、今では多賀城店にとっても佐々木さんはかけがえのない存在だ。「今日はマクドナルドの日だ!」。ワクワクして目覚めると自転車で店舗へ向かい、常に相手に合わせたおもてなしを提供する。忙しい中でも疲れた表情一つ見せない81歳とは思えないパワフルさは、店舗の仲間も驚くほどだ。「健康に長生きして、もっと長く働き続けたいです」。佐々木さんは、今日も明日も、これからも、働く喜びを胸に、お客様へ笑顔を届け続ける。 37SMILE 2025 vol.426
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